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【JIS溶射用語(JIS H8200:2006より抜粋)】
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**一般 [#oc09d440]
:複合溶射|2種類以上の溶射材料を同時に溶射して、被膜を形成する溶射。
:溶射粒子|溶融又はそれに近い状態で飛行している溶射材料の粒子。
:溶射皮膜|溶射によって形成された皮膜。
:塗装用下地溶射皮膜|鉄鋼素材の長時間の防せい・防食効果を維持するために塗装の前に施す溶射皮膜。
:粒子間結合度|溶射皮膜を構成している粒子が結合している度合い。
:投びょう効果|溶射粒子が素地の粗面に機械的にかみ合うことによって皮膜と素地の密着度を向上させる働き。
:付着量|単位面積当たりに形成された溶射皮膜の質量。
:付着率|使用した溶射材料と形成された溶射皮膜の質量比。通常百分率で表す。溶射効率と同義語。
:付着力|溶射皮膜が素地と結合している力。密着力と同義語。
:密着性|溶射皮膜が素地と結合している状態。
:密着度|溶射皮膜が素地と結合している度合い。
:マスキング法|溶射施工時、加工指定部以外に溶射粒子の付着防止やブラストによる素材の損傷を保護するために、覆いをする方法。|
:気孔|溶射皮膜中に含まれる空げき(隙)。開口気孔と密閉気孔がある。
:開口気孔|溶射皮膜に含まれる気孔で、外部へ通じるもの。開孔ともいう。
:気孔率|溶射皮膜中の気孔の容積百分率。
:腐食生成物|腐食によって生成された物質。通常は固体を指し、皮膜に付着するか又は環境中に分散する。亜鉛溶射皮膜に生じる白さびがこの例である。
**材料及び設備 [#re302f08]
:溶射装置|各種溶射法によって溶射皮膜を形成するための装置。
:溶射ガン|溶射装置の主要部分で、熱エネルギーによって溶射材料を溶融し、噴射する機構をもつ装置。溶射トーチともいう。
:溶射材料|溶射に用いる材料。金属、セラミックス、サーメット、プラスチックスなどがある。形状には、線、棒、粉末などがある。
:加圧式ブラスト装置|加圧槽のブラスト材を圧縮空気を用いてブラストを行う装置。
:ブラスト材料|金属系ブラスト材料には鋳鉄、鋳鋼及びカット、スチールワイヤーがある。非金属系には天然、人造鉱物がある。
:グリット材料|せん鋭なりょう角をもつ粒。
:アルミナグリット|天然又は人造のアルミナの粒。ブラスト材として用いる(JIS R 6111参照)。人造アルミナの粒度についてはJIS R6001参照。
:封孔剤|溶射皮膜の開口気孔によく浸透し、密閉する性質をもつ材料。例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコン系樹脂ワックス塗料などがある。
**前処理 [#b03d2a78]
:前処理|溶射を行う場合、あらかじめ素地の状態を調整したり、必要に応じマスキングを行う前工程。
:素地調整|溶射作業の前工程の1つである。
基材の表面に目的とする溶射皮膜が良好に付着するように、基材表面のミルスケール、さびなど付着に有害な物質を除去し、また、表面に適切な粗さを与える処理法。
:油除去|脱脂と同様であるが、焼結金属など含油性の材質を基材とした場合は通常の脱脂法では油除去が不可能のため火炎処理、蒸気脱脂などが用いられる。
:粗面処理|皮膜の密着生を向上させるために、素地に不規則な凹凸を付ける前処理。ねじ切り法、溝切り法、ローレット法、スロット法及びブラスト法などがある。
:ブラスト処理|圧縮空気流、遠心力などを用いてブラスト材を素材の表面に吹き付けて黒皮、酸化物などを除去すると同時に粗面化すること。(JIS G 5903及びJIS R 6001参照)
:グリットブラスト|鋳鉄グリット、鋳鋼グリット及びアルミナグリット、
炭化けい素グリットなどの研削材を圧縮空気、遠心力などで基材表面に吹き付けて研削し、表面の清浄化と同時に粗面化を行う。
**施工 [#pdcf437d]
:溶射条件|溶射を行う条件。溶射ガンの作動条件、溶射距離、溶射角度などが含まれる。
:溶射距離|溶射ガンのノズル先端から素地までの距離。
:溶射速度|単位時間当たりの溶射量。線(棒)送り速度、粉末供給速度などによって規定される。
:線(棒)送り速度|単位時間当たりに溶射ガンに送給された溶射材料の線(棒)の量。通常m/minで表す。
:移動速度|溶射中に溶射ガンが素地に対し通過する速度。
:溶射角度|溶射ガンのノズルの軸線と素地とのなす角度。
:溶射パターン|溶射粒子が吹き付けられてできた吹き付け模様(形状、広がりなど)。
:溶射帯|1回のパスによって形成された溶射皮膜の広がり。
:パス|溶射ガン又は素材の運行方向に沿って行う1回の溶射操作。
**後処理 [#c8478440]
:後処理|溶射の後工程として使用目的に適するように溶射皮膜に施す処理。封孔処理、加熱拡散処理、自溶合金皮膜に対するフュ-ジングなどがある。
:封孔処理|溶射皮膜の開口気孔に封孔剤を浸透させて気孔を密閉し、皮膜の化学的性質及び物理的性質を改善する処理。
**検査及び試験 [#y6310eb4]
:外観検査|溶射皮膜の欠陥の有無を目視によって調べる検査。
:膨れ|溶射皮膜が素地、アンダコートから又は皮膜内で局部的に浮いている状態。
:割れ|溶射皮膜に生じるき裂。
:はく(剥) 離|溶射皮膜が素地又はアンダコートからはがれること。
:密着強さ|溶射皮膜が素材と結合している強さ。
:皮膜引張強さ|溶射皮膜そのものの引張強さ。素地に平行方向及び垂直方向の皮膜引張強さがある。
:表面粗さ|素地又は溶射皮膜の表面の凹凸の状態。(JIS B 0601参照)
:皮膜厚さ試験|溶射皮膜の厚さを測定する試験。測微器試験、膜厚計試験、顕微鏡断面測定法、触針走査式試験、磁力式試験及び過電流式試験がある。(JIS H 8401参照)
:膜厚計試験|膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する方法。磁力式膜厚計測定法及び過電流式膜厚計測定法がある。(JIS H 8401参照)
:電磁膜厚計測定法|電磁膜厚計を用いて皮膜厚さを測定する方法。(JIS H 8401参照)
:触針走査式試験|素地の断面曲線と溶射皮膜表面の断面曲線から皮膜厚さを測定する方法。(JIS H 8401参照)
:耐食性試験|溶射皮膜の耐食性を調べる試験。浸せき試験、耐食塩水性試験、塩水噴霧試験、暴露試験などがある。
:塩水噴霧試験|溶射された試料を食塩水の噴霧中に暴露させて皮膜のさび、膨れ、はく離などの状態を調べる試験。(JIS Z 2371参照)
:暴露試験|溶射された試料を屋外に暴露して、自然環境における皮膜のさび、膨れ、はく離などの状態を調べる試験。屋外暴露試験、耐侯試験ともいう。(JIS K 5400参照)
:耐熱性試験|溶射皮膜の耐熱性を調べる試験。加熱試験がある。(JIS H 8301、JIS H 8664参照)
:加熱試験|溶射された試料を加熱して、さび、スケール、割れ、はく離などの発生状態を調べる試験。溶射皮膜の耐熱性を調べる試験。(JIS H 8664参照)
:熱衝撃試験|溶射された試料を急熱・急冷して皮膜の割れ、はく離などの状態を調べる試験。(JIS H 8666参照)
:密着性試験|溶射皮膜の密着性を調べる試験。加熱はく離試験、けい線試験、曲げ試験、打撃試験、グリット試験、顕微鏡断面試験がある。
:密着強さ試験|溶射皮膜の密着強さを調べる試験。(JIS H 8666参照)
:グリット試験|溶射された試料の皮膜を鋭利な刃物で、素地に達するように一定の格子状に切断し、その表面に粘着テープをつめで強く押し付けた後、テープの端を素早く垂直に引き離して、皮膜の密着性を調べる試験。(JIS H 8305参照)
:引張用ジク| 溶射皮膜試験方法で密着強さ試験を行うための引張試験機にチャックするユニバーサルジョンイント(ジグ)。
**安全衛生 [#dfdfd976]
:フューム(ヒューム)|溶射中に溶射材料が加熱されて発生する煙霧。
:安全衛生対策|例えば、溶射事業場、作業現場などで労働者及び第三者に被害や災害が発生しないような教育、設備などを整備する方法・手段。
:有機溶剤中毒|例えば密閉された作業場などで使用中の封孔剤に含まれた有機溶剤が揮発し蒸気を作業者が吸引することにより、皮膚、粘膜、中枢神経、末梢神経、造血器、内臓障害などを発生させる現象。
:粉じん|ブラストの粉砕した微細な粉体や溶射中に発生する粉じん。
:フュ-ム(ヒューム)|溶射中に溶射材料が加熱されて発生する煙霧。
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