トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS

MS工法の技術資料/関連用語集 のバックアップ(No.3)


 

一般

下地溶射皮膜
2層以上の溶射皮膜を形成する場合、その最下層の皮膜を付ける溶射をいい、皮膜の密着性の向上、皮膜厚さの確保、素地の保護などの目的で施す。アンダーコートと同義語。
塗装用下地溶射皮膜
鉄鋼素材の長時間の防錆・防食効果を維持するために塗装の前に施す溶射皮膜。
粒子間結合度
溶射皮膜を構成している粒子が結合している度合い。
投びょう効果
溶射粒子が素地の粗面に機械的にかみ合うことによって皮膜と素地の密着度を向上させる働き。
溶射有効面
溶射皮膜において用途上重要な面。
溶射加工品仕様書
溶射する品物の加工する手段、方法、品質などを定めた仕様。
溶射加工品規格
溶射する品物や部品の形状、材質、方法などを定めた規格。
気孔率
溶射皮膜中の気孔の容積百分率。
腐食生成物
腐食によって生成された物質。通常は固体を指し、皮膜に付着するかまたは環境中に分散する。亜鉛溶射皮膜に生じる白さびがこの例である。

材料及び設備

溶射装置
各種溶射法によって溶射皮膜を形成するための装置。
溶射ガン
溶射装置の主要部分で、熱エネルギーによって溶射材料を溶融し、噴射する機構を持つ装置。溶射トーチともいう。
溶射材料
溶射に用いる材料。金属、セラミックス、サーメット、プラスチックなどがある。形状には、線、棒、粉末などがある。
ブラスト材料
金属系ブラスト材料には鋳鉄、鋳鋼およびカット、スチールワイヤーがある。非金属系には天然、人造鉱物がある。
グリット材料
せん鋭なりょう角を持つ粒。
カットワイヤ
硬鋼線を寸断して作られたせん鋭な角を持つ粒。ブラスト材として用いる。
封孔剤
溶射皮膜の開口気孔によく浸透し、密閉する性質を持つ材料。例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、シリコン系樹脂ワックス塗料などがある。

前処理

素地調整
基材の表面に目的とする溶射皮膜が良好に付着するように、基材表面のミルスケール、さびなど付着する有害な物質を除去し、また表面に適切な粗さを与える処理法。
油除去
脱脂と同様であるが、焼結金属など含油性の材料を基材とした場合は通常の脱脂法では油除去が不可能のため火炎処理、蒸気脱脂などが用いられる。
粗面処理
皮膜の密着性を向上させるために、素地に不規則な凹凸を付ける前処理。ねじ切り法、溝切り法、ローレット法、スロット法及びブラスト法がある。

施工

溶射条件
溶射を行う条件。溶射ガンの作動条件、溶射距離、溶射角度などが含まれる。
溶射距離
溶射ガンのノズル先端から素地までの距離。
溶射速度
単位時間当たりの溶射量。線(棒)送り速度、粉末供給速度などによって規定される。
線(棒)送り速度
単位時間当たりに溶射ガンに供給された溶射材料の線(棒)の量。通常m/minで表す。
移動速度
溶射中に溶射ガンが素地に対し通過する速度。
溶射角度
溶射ガンのノズルの軸線と素地とのなす角度。
溶射パターン
溶射粒子が吹付けられてできた吹き付け模様(形状、広がりなど)。
溶射帯
1回のパスによって形成された溶射皮膜の広がり。
パス
溶射ガンまたは素材の運行方向に沿って行う1回の溶射操作。
死角
素材の構造や形状によって溶射粒子が到達し得ず溶射ができない領域。
過熱
材料の諸性質による悪影響を及ぼす温度まで素材または溶射皮膜が加熱する。

後処理

後処理
溶射の後工程として使用目的に適するように溶射皮膜に施す処理。封孔処理、加熱拡散処理、自溶合金皮膜に対するフェージングなどがある。
封孔処理
溶射皮膜の開口気孔に封孔剤を浸透させて気孔を密閉し、皮膜の化学的性質および物理的性質を改善する処理。

検査及び試験

スパッタ
溶射材料の一部が微粒子化されないまま皮膜表面に付着した粒。
ピンホール
溶射皮膜を貫いて素地までに達する微細孔。
有孔度
溶射皮膜のピンホールの数、大きさなどの度合い。
溶射加工品検査
溶射加工品規格、溶射加工品仕様に基づいて行う検査。
皮膜内破断
溶射皮膜の内部において生じる破断。
表面硬さ
溶射皮膜の表面の硬さ。
断面硬さ
溶射皮膜の断面の硬さ。
耐食性試験
溶射皮膜の耐食性を調べる試験。浸漬試験、耐食塩水試験、塩水噴霧試験、曝露試験などがある。
密着性試験
溶射皮膜の密着性を調べる試験。加熱はく離試験、けい線試験、曲げ試験、打撃試験、グリッド試験、顕微鏡断面試験がある。
溶射加工品の表示
溶射加工品の最終検査に合格したものにつける加工品規格および加工品仕様書の規定項目。

安全衛生

フューム(ヒューム)
溶射中に溶射材料が加熱されて発生する煙霧。